扇風機だけでは湿気は減らない
7月、住まいで気を付けたいこと。
ジメジメした日に扇風機の風を浴びると、少し涼しく感じます。
そのため、
「風を当てれば湿気もなくなる」
と思ってしまいがちです。
しかし、扇風機が動かしているのは空気であって、湿気そのものを取り除いているわけではありません。
湿気は風では消えない
湿気とは、空気中に含まれている水蒸気のことです。
扇風機を回すと空気は動きますが、水蒸気の量はほとんど変わりません。
たとえば湿度80%の部屋で扇風機を回しても、
湿度80%の空気が部屋の中を循環しているだけです。
「風があるから乾いた」というわけではないのです。
それでも涼しく感じる理由
扇風機の風を浴びると、汗が蒸発しやすくなります。
その気化熱によって体温が奪われるため、人は涼しく感じます。
つまり、
体が涼しくなっているのであって、部屋が乾燥しているわけではありません。
湿度が高いままでも、体感だけは快適になることがあります。
湿気を減らすには「外へ出す」か「取り除く」
室内の湿気を減らす方法は大きく二つです。
換気をして外へ逃がす方法
外の方が乾燥しているなら、窓や換気設備で湿気を排出できます。
ただし、梅雨や夏のように外の湿度が高い日は、換気だけでは湿度が下がらないこともあります。
除湿機やエアコンで水分を取り除く方法
除湿運転は、空気中の水蒸気を結露させて水として回収します。
これは扇風機にはできない働きです。
扇風機は空気を動かすために使う
とはいえ、扇風機が役に立たないわけではありません。
空気がよどみやすい場所に風を送ることで、
- 押入れ
- クローゼット
- 北側の部屋
- 室内干しの洗濯物
などの周囲に空気の流れをつくることができます。
湿気が一か所にたまりにくくなるため、カビ対策にも役立ちます。
つまり、扇風機の役割は湿気を減らすことではなく、湿気を滞留させないことなのです。
空気が動くと家も快適になる
住まいの中には、風が通る場所と通らない場所があります。
同じ部屋でも、家具の裏や収納の奥では空気がほとんど動かず、湿気がたまりやすくなります。
扇風機やサーキュレーターで空気を循環させるだけでも、室内の環境は大きく変わります。
風は目に見えませんが、住まいの快適さを支える大切な要素です。
住環境ラボとしての整理
扇風機は湿気を取り除く機械ではありません。
風によって体感温度を下げ、空気を循環させることが主な役割です。
湿気を減らしたいなら、換気や除湿を組み合わせることが大切です。
「風をつくる」「湿気を逃がす」「水分を取り除く」。
それぞれの役割を理解して使い分けることが、夏を快適に過ごす住環境づくりにつながります。